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絽ざしについて

絽刺しは日本刺繍のひとつとして僧侶用の、少し張りのある絹織り三本絽の隙間に、絽刺し用絹の色糸で刺し埋めていく刺し方をし、別名“公家絽刺し”とも言われていて、古くは平安時代、公家や武士の子女の手すさびとして人気となり大流行したと言われています。

奈良東大寺建立の際、絽刺しで作られた仏壇用の敷物が献納され、その一部が同寺に残っております。

また、中国でも三大刺繍、蘇州、仙頭とともに盛んな時期があったらしいのですが、現在はほとんど制作されていないようです。
戦前には一般の婦人たちの間でも広まり戦争中は入院中の傷病兵の間でも流行った事もあると聞いております。

現在、東京、京都、阪神間で絽刺しを刺していた方たちも年をとられたり、時代の流れとともに着物、帯を着られ無くなったりと廃れていくと状態でこの雅な伝統工芸を絶やすことなく後世に伝えるよう努力を惜しまないつもりでおります。